こんにちは。清瀬バプテスト教会の牧師の松田です。4月から教会のブログを開始しました。お時間のある時に見ていただけると幸いです。
さて、毎週土曜日は「1週間のふりかえり」という回にしていこうと思っています。1日、1日を忙しく生活していると、何かいつもやるべきことに追われて生きているような気がしないでしょうか。しかし、その1日、1日の中には、大事なことがたくさん詰め込まれていたことでしょう。
今週は「新しい変化」について色々と考えさせられる1週間でした。新しい技術の進展は何のためにあるのか考えさせられます。私はこのところ「変化とは変わらないためにある」と思わされています。そのことを考えるきっかけになった出来事について書いてみます。
墓地からオンライン配信をしてみて
今週の日曜日に私たちのグループである日本バプテスト教会連合の東京地区で、合同聖徒記念礼拝が行われました。この聖徒記念礼拝については、また改めて来週まとめようと思っていますが、今回は初めて墓地からの配信をしたことから考えたことをまとめようと思います。
この合同聖徒記念礼拝はコロナ以前は毎年120名以上が参加する集会でした。年々参加者が増加する数少ないイベントの一つです。高齢化していき、これまで教会を支えてきてくれた方々が召されていきますので、自然と増加していきます。クリスチャンではないご遺族の方も毎年参加される方がいて、「恒例」になっていました。
屋外で行いますので、そこまでコロナのリスクがあるわけではありませんが、それでも120名が集まると流石に危険です。ということで、今年は新たに納骨する遺族のみが墓地に集まり、そのほかの方々にはzoomの配信で参加していただこうということになりました。
当日は墓地にご遺族と関係者が30名弱。オンラインに53端末からの参加がありました。オンラインの方は1端末に複数の方が参加されていて、まだ正確な人数はわかりませんが、全体でいつもの120名くらいの方がおられたのではないかと思います。
オンラインになったからといって、プログラムは何も変わっていません。いつもと同じ賛美を歌い、聖書が読まれ、納骨が行われました。また、毎年ご遺族の紹介をして、参加されている方にお返事をしているのですが、zoomででも画面越しに「はい!」という声がたくさん聞こえてきました。
参加されている方から「配信してくれて嬉しかった」「映像も綺麗で音もよく聞こえましたよ」と、墓地にこられていたご遺族からも「自分たちだけじゃないって感じられました」と言っていただけました。
もちろん、現地に来ることと全く同じだとは思いませんし、これからずっとオンラインでいいとも思いません。けれど、健康上の都合などで「行きたくても行けない」方々への一助になるのなら、続けていきたいと思わされました。
考えてみれば、これまでは墓地にこられる人だけでやってきたと考えると、ずいぶん行けない人たちには悪いことをしていたなと思わされます。これは一つの良い変化ではないかと思っています。墓地ではなくても、家で同じ墓地を見て、そこでささげられる礼拝に心を合わせる。以前できていたことと同じことを、形は変わっても続けられる。それは大事なことではないでしょうか。
変わらないために変わり続けている
5月1日のブログでも書いたのですが、福岡伸一さんの「動的平衡」という本の中で「生命」について次のように書いていらっしゃいます。
「生命は、絶え間なく壊して、作り直すこと以外に、損なわないようにする方法はない」
「生きているということは、変わらないために、変わり続けていること」
この福岡さんの「変わらないために、変わり続ける」という言葉は、何かコロナ禍の自分のテーマになっているように思います。
墓地からの配信も大事なものが「変わらないため」に行ったことです。もし、これが本質に触れるようなことがあれば、自ずと廃れると思います。しかし、大事な本質をとらえているのなら、今後も続いていくと思います。
それは私たちが「生きている」からです。生きているから、生き続けるために変わっていきます。墓地から配信することが、少しでも誰かの「変わらない思い」のために用いられたのであれば感謝です。
変わることを恐れないで生きる
これからの時代がどんな時代になるのか検討はつきません。今回のコロナにしても誰も予想していませんでした。それでも、多くの人々がこの状況の中でただ恐れ戸惑うのではなく、「こうなった今、何が私にできるだろうか」と考え、行動してきたのだと思います。
これからもAIの技術発展や遺伝子技術の革新などの予想される変化以外にも、誰も考えつかなかったことが起こっていくのではないでしょうか。しかし、その都度、神様は道を開いてくださると信じます。だから、未来に希望を持ち続けます。心配材料はあります。けれど、絶望しません。神様は、私たちを変え続けてくださる。生きる道を開いてくださると信じています。
変わることを恐れなくていいと信じています。なぜなら私たちの信じている神様は、私たちを救うために変わってくださった方ですから。「神から人へ」という考えられないようなグレードダウンの変化をされました。それでも、それが私たちの救いとなりました。だからこそ、どんな未来が待っていても、私たちは恐れなくていい。神様はその変わりゆく世界のために、これからも共にいてくださる。信頼して、先に希望をもって、歩みます。